冬休みのイライラを減らす親子の過ごし方

元精神科ナースひまわり
元精神科ナースひまわり

こんにちは。高校2年、中学3年の発達障害の男の子ママのひまわりです。
精神科ナースとして長年勤務し、現在は発達障害児の子育て経験を活かして子育てコーチングの講師をさせていただいています。

冬休みも中盤…疲れも出始める頃ですね。
楽しみな反面、「毎日子どもと一緒で大丈夫かな…」と不安を感じているママも多いのではないでしょうか。
長期休暇は、親子の距離が近くなる分、イライラも増えやすい時期。特に発達障害のあるお子さんの場合、生活リズムの乱れや環境の変化でいつも以上に大変になることもあります。
今日は、長期休暇中のイライラを減らし、穏やかに過ごすためのコツをお伝えします。

~冬休みを穏やかに乗り切るために~

なぜ長期休暇はイライラしやすいのか?

・生活リズムが崩れる
学校がある時は決まった時間に起きて、決まった時間に登校していたのに、休みになると夜更かし・朝寝坊のサイクルに。生活リズムの乱れは、子どものイライラにも、親のイライラにもつながります。

・やることがない時間が増える
「暇〜」「何かない?」と言われると、親はイライラ。子どもは退屈でイライラ。悪循環です。

・親の時間がなくなる
家事をしていても「ねえねえ」と話しかけられる。一人の時間がない。自分のペースで動けない。ストレスが溜まります。

・きょうだいゲンカが増える
家にいる時間が長いと、きょうだいゲンカも増加。その仲裁に疲れてしまいます。

イライラを減らす5つの対策

対策1:ゆるい生活リズムを作る

完璧を目指さないことが大切です。
学校と同じ時間に起きる必要はありません。でも、全くルールがないと崩れすぎてしまいます。

我が家のゆるいルール

・起床時間:8時〜9時の間(多少遅れてもOK)
・朝ごはん:10時までには食べる
・就寝時間:24時まで(学校がある時より1時間遅め)
・3食は必ず食べる
「〇時ちょうど」ではなく「〇時〜〇時の間」という幅を持たせることで、親子ともにストレスが減ります。
発達障害のあるお子さんの場合、時計が読めなくても大丈夫。タイマーやアラームを使って、視覚的・聴覚的に分かりやすくしましょう。

対策2:「やることリスト」を一緒に作る

朝起きたら、今日やることを一緒に決めます。
リストの例:
・宿題(算数プリント1枚)
・お手伝い(食器を運ぶ)
・体を動かす時間(公園に行くor 家で体操)
・自由時間(ゲーム、YouTube)
ポイントは、子ども自身に決めさせること。
「宿題いつやる?」「お手伝い何する?」と聞いて、自分で選ばせます。
自分で決めたことは、守りやすくなります。そして、できたらチェック。達成感が生まれます。
我が家では、ホワイトボードに書いて、できたらマグネットを貼るようにしています。視覚的に「できた!」が分かると、子どものモチベーションも上がります。

対策3:「ママタイム」を確保する

一日中子どもと一緒だと、親は疲れてしまいます。
自分の時間を確保する工夫:
・午後の1時間は「静かタイム」(それぞれ別の部屋で過ごす)
・早朝の30分、子どもが起きる前にコーヒーを飲む時間
・夫に1時間でも子どもを見てもらい、外出する
・子どもが動画を見ている間に、自分の好きなことをする
「自分の時間を持つこと」は、わがままではありません。
心の余裕を保つために必要なことです。
精神科ナースとしての経験から言えるのは、「我慢の限界」が来る前に休むことの大切さです。限界を超えてからでは、回復に時間がかかります。

対策4:外に出る時間を作る

家に閉じこもっていると、親も子もストレスが溜まります。
短時間でもいいので外に出ましょう:
・近所を15分散歩する
・公園で30分遊ぶ
・スーパーに一緒に買い物に行く
・図書館で本を借りる
外の空気を吸うだけで、気分が変わります。体を動かすと、子どもも疲れて夜よく眠れます。
発達障害のあるお子さんは、感覚過敏で外出を嫌がることもあります。その場合は、人が少ない時間帯を選ぶ、短時間から始める、など工夫してみてください。

対策5:完璧を手放す

長期休暇中は、いつもより家事の手を抜きましょう。
手を抜いていいこと:
・掃除は最低限(毎日しなくてもOK)
・料理は簡単メニュー(冷凍食品、レトルトも活用)
・洗濯物は畳まずカゴに入れるだけ
・食器はまとめて洗う(毎食後じゃなくてもOK)
「ちゃんとしなきゃ」を手放すだけで、心が楽になります。
子どもと過ごす時間が増えるのだから、家事が完璧じゃなくても当たり前です。誰も責めません。自分で自分を責めないでください。

イライラした時の対処法


それでも、イライラする時はあります。そんな時は:

・深呼吸する
4秒吸って、7秒止めて、8秒吐く。これを3回繰り返すだけで、少し落ち着きます。

・その場を離れる
「ちょっとトイレ行ってくるね」と言って、一度離れる。物理的に距離を取ることで、冷静になれます。

・感情を言葉にする
「お母さん、今ちょっとイライラしてるから、少し静かにしてね」と正直に伝える。感情を押し殺さず、言葉にすることで楽になります。

・完璧な親を目指さない
イライラしてしまう自分を責めないでください。イライラするのは、一生懸命頑張っている証拠です。

・子どもの気持ちも理解する
実は、子どもも長期休暇にストレスを感じています。
子どもの本音:
・学校のルーティンがなくて不安
・やることがなくて退屈
・でも何をしたらいいか分からない
・親に構ってほしい(でも上手に伝えられない)
「暇」「つまらない」と文句を言うのは、実は「構ってほしい」のサインかもしれません。
5分でいいので、一緒に遊んだり、話を聞いたりする時間を作ると、子どもは満足して一人でも遊べるようになります。

まとめ:完璧な冬休みじゃなくていい

長期休暇は、親にとっても試練の時期です。
でも、完璧に過ごす必要はありません。
・生活リズムはゆるくてOK
・家事は手抜きでOK
・毎日特別なことをしなくてOK
・イライラしてしまってもOK
大切なのは、親子ともに「無理をしないこと」。
我が家も、冬休みは毎年バタバタです。きょうだいゲンカは絶えないし、私もイライラすることがあります。でも、「これでいいんだ」と思えるようになってから、気持ちが楽になりました。
あなたも、自分を責めすぎないでください。
頑張りすぎないでください。
長期休暇が終わった時に、「なんとか乗り切った!」と思えれば、それで十分です。
一緒に、この冬休みを乗り越えましょう。
応援しています。

この記事を書いた人
himawari

\観察眼を養おう/
不安な子育て▶︎楽しい子育てへ
●不安やイライラが「楽しい育児」に変わる
●精神医も絶賛!子育て法が目からウロコ
●実践的な困り事解決法が学べる
<ひまわり株式会社 代表>
発達障害の息子(高2、中3)

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