発達障害の基礎知識とチェックリスト

こんにちは。高校2年、中学3年の発達障害の男の子ママのひまわりです。
精神科ナースとして長年勤務し、現在は発達障害児の子育て経験を活かして子育てコーチングの講師をさせていただいています。

発達障害とは?もしかしたらうちの子…と思ったら

「うちの子、他の子とちょっと違うかも…」
「育てにくさを感じるけど、これって普通なのかな?」

そんな不安を抱えている保護者の方は少なくありません。私自身も、息子が未就園の頃「もしかして…」と感じながらも、認めたくない気持ちと葛藤していました。

ひまわり
ひまわり

今日は、元精神科ナースの私が、発達障害について正しく理解していただくために、ADHD、ASD、LD、知的障害の4つのタイプに分けて、基礎知識、特徴とチェックリストをご紹介します。

【重要な注意事項】
このチェックリストは医学的な診断ツールではありません。あくまでも「気づきのきっかけ」としてご活用ください。複数の項目に当てはまる場合は、専門機関への相談をお勧めします。

発達障害とは?

発達障害とは、脳の発達の偏りによって、日常生活や学習に困難が生じる状態のことです。決して育て方や本人の努力不足が原因ではありません。

早期に気づき、適切な支援を受けることで、お子さんの可能性を最大限に引き出すことができます。

ADHD(注意欠陥多動性障害)とは?

ADHDは、不注意、多動性、衝動性という3つの特性を持つ発達障害です。
「じっとしていられない」「忘れ物が多い」「考える前に行動してしまう」といった特徴があります。

精神科ナースとして多くのADHDの方に関わってきましたが、その行動力とエネルギーは適切にサポートすれば大きな武器になります。

《ADHDの主な特徴》
不注意タイプ:
・細かいことに注意が向かず、ケアレスミスが多い
・物事を最後までやり遂げることが苦手
・話を聞いているようで聞いていない

多動性タイプ:
・じっとしていることが困難
・静かに遊ぶことが苦手
・常に動き回っている

衝動性タイプ:
・順番を待つことが苦手
・考える前に行動してしまう
・会話に割り込んでしまう

《ADHDチェックリスト》
以下の項目で、6ヶ月以上続いているものにチェックしてみてください。
□ 忘れ物や失くし物が極端に多い
□ 課題や遊びに集中し続けることが難しい
□ 話しかけても聞いていないように見える
□ 整理整頓が極端に苦手
□ じっとしていることができず、そわそわしている
□ 順番を待つことが非常に苦手
□ 他人の話や活動に割り込んでしまう
□ 質問が終わる前に答え始める
□ 危険を考えずに行動してしまう
□ 気が散りやすく、すぐに他のことに注意が向く

5つ以上当てはまる場合は、専門機関への相談を検討してください。

ASD(自閉スペクトラム症)とは?

ASDは、コミュニケーションや対人関係の困難さ、こだわりの強さを特徴とする発達障害です。
「空気が読めない」「変化を嫌う」「感覚が過敏または鈍感」といった特徴があります。

ASDのお子さんは独特の視点を持ち、興味のある分野では驚くほどの集中力を発揮します。

《ASDの主な特徴》
コミュニケーションの困難:
・言葉の発達が遅い、またはオウム返しが多い
・会話のキャッチボールが難しい
・冗談や比喩が理解できない

対人関係の困難:
・目が合いにくい
・友達との関わり方が独特
・相手の気持ちを読み取ることが苦手

こだわりと感覚の特性:
・特定のルーティンや順序へのこだわり
・予定変更への強い抵抗
・感覚過敏(音、光、触感など)

《ASDチェックリスト》
以下の項目で、日常的に見られるものにチェックしてみてください。
□ 視線が合いにくい、または合わせ続けることが難しい
□ 名前を呼んでも反応が薄いことが多い
□ 同年齢の子どもとの関わりに興味が薄い
□ 言葉の発達が遅い、または独特な話し方をする
□ 同じ遊びや行動を繰り返すことが多い
□ 特定の物事への強いこだわりがある
□ 予定の変更や環境の変化に激しく抵抗する
□ 特定の音や光、触感を極端に嫌がる
□ 相手の表情や感情を読み取ることが苦手
□ ごっこ遊びや見立て遊びをあまりしない

5つ以上当てはまる場合は、専門機関への相談を検討してください。

LD(学習障害)とは?

LDは、知的発達に遅れはないものの、「読む」「書く」「計算する」など特定の学習領域に著しい困難がある発達障害です。

「頑張っているのに成績が上がらない」「勉強だけが極端に苦手」というお子さんは、LDの可能性があります。

《LDの主な特徴》
読字障害(ディスレクシア):
・文字を読むことが極端に困難
・行を飛ばして読んでしまう
・読むスピードが極端に遅い

書字障害(ディスグラフィア):
・文字を書くことが極端に苦手
・鏡文字が多い
・マス目や行からはみ出す

算数障害(ディスカリキュリア):
・数の概念の理解が困難
・計算が極端に苦手
・図形や文章題の理解が難しい

《LDチェックリスト》
以下の項目で、学習場面で見られるものにチェックしてみてください。

□ 本読みが極端に苦手で、読むスピードが遅い
□ 似た文字(「め」と「ぬ」など)を間違える
□ 文字を書く時、マスや行からはみ出すことが多い
□ 漢字を何度練習しても覚えられない
□ 簡単な計算でも時間がかかる
□ 数の大小の理解が難しい
□ 図形の問題が極端に苦手
□ 文章題の意味を理解することが難しい
□ 会話は普通にできるのに、読み書きだけが著しく苦手
□ 努力しているのに成績が上がらず、本人も困っている

5つ以上当てはまる場合は、専門機関への相談を検討してください。

知的障害とは?

知的障害は、知的機能(理解力、判断力、記憶力など)と適応機能(日常生活スキル、社会性など)の両方に制約がある状態です。

発達がゆっくりで、同年齢の子どもと比べて全般的な理解や学習に時間がかかる特徴があります。

《知的障害の主な特徴》
知的機能の遅れ:
・言葉の発達がゆっくり
・理解や記憶に時間がかかる
・抽象的な概念の理解が難しい

適応機能の困難:
・日常生活スキル(着替え、食事など)の習得が遅い
・社会的なルールの理解が難しい
・危険の認識が弱い

《知的障害チェックリスト》
以下の項目で、同年齢の子どもと比較して見られるものにチェックしてみてください。

□ 言葉の発達が明らかに遅い
□ 簡単な指示の理解に時間がかかる
□ 着替えや食事などの日常生活スキルの習得が遅い
□ 年齢相応の遊びや学習が難しい
□ 記憶することが全般的に苦手
□ 時間や数の概念の理解が難しい
□ 危険なことへの認識が弱い
□ 同年齢の子どもとのコミュニケーションが難しい
□ 新しいことを学ぶのに人一倍時間がかかる
□ 全般的な発達がゆっくりと感じる

5つ以上当てはまる場合は、専門機関への相談を検討してください。

【チェックリストで複数当てはまった方へ】
まず、深呼吸してください。チェックリストに当てはまる項目が多くても、それは「ダメな子」「問題のある子」という意味ではありません。

発達障害は、お子さんの特徴の一部です。そして、早期に気づき、適切なサポートを受けることで、お子さんは大きく成長できます。

発達障害かもと思ったら次のステップ

  1. 専門機関に相談する
    ・発達支援センター
    ・小児精神科・児童精神科
    ・教育相談センター
    ・かかりつけの小児科
  2. 園や学校と情報共有する
    担任の先生と連携し、園や学校での様子も確認しましょう。
  3. 焦らず、お子さんのペースを尊重する
    診断を急ぐのではなく、お子さんに合ったサポートを見つけることが大切です。

発達障害の基礎知識とチェックリストまとめ

私の経験から、息子の「ちょっと違うかも」というサインに気づき、で専門機関に相談しましたが、専門家の「大丈夫!ママの考えすぎよ」という言葉に安心して1年半、気付くのが遅れてしましました。

発達障害があっても、お子さんの可能性は無限大です。その子らしさを大切にしながら、必要なサポートを早期から提供していくことが、私たち親の役割だと考えています。

一人で抱え込まず、専門家や同じような経験をしている保護者とつながりながら、一歩ずつ前に進んでいきましょう。

あなたとお子さんを応援しています。

この記事を書いた人
himawari

\観察眼を養おう/
不安な子育て▶︎楽しい子育てへ
●不安やイライラが「楽しい育児」に変わる
●精神医も絶賛!子育て法が目からウロコ
●実践的な困り事解決法が学べる
<ひまわり株式会社 代表>
発達障害の息子(高2、中3)

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